日本の高校生が、世界で全員メダル
2026年7月、中国・上海で「国際数学オリンピック」という大会が開かれました。世界117の国・地域から666人が集まる、高校生の数学の世界大会です。
ここで、日本代表の高校生6人が、全員メダルを獲得しました。金2つ、銀1つ、銅3つ。国別では10位という成績です。
「数学のオリンピック」と聞くと、自分とは遠い世界の話に感じるかもしれません。でも、出場しているのは大学生でも研究者でもなく、あなたと同じ中高生です。そして実は、こうした大会は小学生から参加できるものもあります。今日は、その世界を紹介します。
そもそも、どんな問題を解くの?
ふつうのテストと、オリンピックの問題は、少し性格が違います。
学校のテストは、習ったことをちゃんと覚えているかを見ます。だから、公式を知っていれば解けます。でもオリンピックの問題は、公式を知っているだけでは解けません。見たこともない問題を前に、その場で考え方を組み立てる力が試されます。
たとえば国際数学オリンピックでは、2日間かけて6問を解きます。1問にかけられる時間は、なんと約1時間半。1問だけで、です。答えを出すだけでなく、「なぜそうなるのか」という考え方の道すじを、全部書いて説明します。
1問に1時間半、じっくり考え抜く。これは、たくさんの問題を速く解く力とは、まったく別の力です。
小学生から挑戦できる大会がある
日本には、学年に応じて挑戦できる算数・数学の大会がそろっています。代表的なのが「算数オリンピック」と、そこから続く一連の大会です。
| 大会 | 対象 |
|---|---|
| キッズBEE | 小学1〜3年生ぐらい |
| ジュニア算数オリンピック | 小学5年生以下 |
| 算数オリンピック | 小学6年生以下 |
| 広中杯(全国中学生数学大会) | 中学3年生以下 |
| 日本数学オリンピック(JMO) | 中学・高校生 |
| 国際数学オリンピック(IMO) | 高校生(各国の代表) |
つまり、小学校低学年から高校生まで、自分の学年に合った入り口が用意されているということです。小学生のうちに算数オリンピックに挑戦し、中学で数学オリンピックへ、そして高校で世界大会へ ―― という道が、ちゃんとつながっています。
実際、今年の国際大会でメダルを取った高校生の中には、中学生のころから国内大会で活躍していた人もいます。いきなり世界に出たわけではなく、一段ずつ階段をのぼってきたのです。
大切なのは、順位じゃない
こう書くと、「すごい人だけの世界だ」と思うかもしれません。でも、この大会のいちばんの価値は、順位やメダルではありません。
大会を主催する側も、算数オリンピックで本当に価値があるのは、初めて見る問題に向き合い、自分の力で考え抜く経験だと言っています。知っている解き方で解ける問題より、その場で考える力が試される。だからこそ、解けても解けなくても、挑戦したこと自体が力になります。
難しい問題に、あきらめずに1時間向き合う。その時間そのものが、ふだんのテストでは味わえない、特別な経験になります。
参加してみるには
算数オリンピックは、まず全国各地の会場で行われる「トライアル大会」から始まります。そこを通過すると、東京・大阪・福岡などで開かれる「ファイナル(決勝)」に進めます。毎年、春から初夏にかけて申し込みが始まり、夏に本番、という流れです。
興味がわいたら、まずは過去問を1問、解いてみるのがおすすめです。書店やオンラインで過去問題集が手に入りますし、解けなくても大丈夫。「こんな問題があるんだ」と知るだけで、算数・数学の見え方が少し変わります。
まとめ
- 2026年7月、日本の高校生が国際数学オリンピックで全員メダルを獲得した
- 出場しているのは、研究者ではなく中高生。世界大会でも同世代が戦っている
- 日本には、小学校低学年から挑戦できる算数・数学の大会がそろっている
- 問われるのは「知っている解き方」ではなく、その場で考え抜く力
- 大切なのは順位より、難しい問題に向き合った経験そのもの
世界でメダルを取る高校生も、最初は算数の1問と向き合う小学生でした。その1問に、あなたも挑戦できます。
※国際数学オリンピック2026の結果は文部科学省が2026年7月23日に発表。算数オリンピック等の日程・対象は、各年度の大会要項によります。参加を検討する場合は最新の公式情報をご確認ください。