- 全国学力学習状況調査の結果と課題
まず、発表された数字
2026年7月16日、文部科学省が今年度の全国学力テストの結果を公表しました。対象は小学6年生と中学3年生です。今回出たのは平均正答率などの速報で、詳しい分析は8月上旬、都道府県別の結果は9月以降に出る予定です。
算数・数学の全国平均正答率は、小6の算数が56.6%、中3の数学が57.4%。どちらも5割台でした。
でも、平均の数字だけを見ていても、あまり中身は見えてきません。この記事で注目したいのは、同じ算数・数学の中で、問題の「形式」によって正答率が大きく違ったという点です。公表資料の数字を、そこだけ取り出して並べてみます。
形式で分けると、こうなる
問題は大きく3つの形式に分かれます。選択肢から選ぶ「選択式」、答えだけを書く「短答式」、そして考え方や理由を書く「記述式」です。
小6算数と中3数学を、この形式で分けた正答率がこちらです。
形式 小6 算数 中3 数学 選択式(選ぶ) 56.2% 59.6% 短答式(答えだけ書く) 59.9% 64.6% 記述式(考え方を書く) 48.7% 39.6% 両方の学年に、まったく同じ並びが出ています。短答式がいちばん高く、記述式がいちばん低い。
しかも、その差は小さくありません。中3では、短答式64.6%に対して記述式は39.6%。25ポイントの差です。同じ数学の、同じ生徒たちなのに、「答えだけ書く」と「考え方を書く」とで、これだけ差がつくのです。
学年が上がると、むしろ開く
もうひとつ、縦に見ると気づくことがあります。
記述式だけを見ると、小6は48.7%、中3は39.6%。学年が上がったのに、記述式の正答率は下がっています。他の形式(選択式・短答式)は中3のほうが高いのに、記述式だけは逆転している。
内容が難しくなるからだ、と言ってしまえばそれまでです。でも、選択式や短答式では中3のほうが点が取れているわけですから、「知識が足りない」だけでは説明がつきません。知識はあるのに、それを説明の形で書くところで、より多くの生徒がつまずいていると読めます。
白紙が語ること
一次資料には、もっと生々しい数字があります。問題ごとの「無解答率」、つまり何も書かなかった人の割合です。
中3数学で無解答率が高かったのは、次のような問題でした。
- ある予想が成り立つことを式で示す問題 ―― 無解答 39.0%
- データの傾向を、グラフの形をもとに説明する問題 ―― 無解答 28.5%
- 問題解決の方法を数学的に説明する問題 ―― 無解答 26.1%
- 証明する事柄の方針を説明する問題 ―― 無解答 21.9%
いずれも「説明する」「示す」タイプ、つまり記述式です。3〜4問に1問は、手をつけられていない。
まちがいと白紙は、意味がちがいます。まちがいは「やってみたけど届かなかった」。白紙は「そもそも土俵に上がれなかった」。記述式でこの白紙が多いのは、答えを知らないというより、**「どう書き始めればいいかわからない」**という状態に近いのかもしれません。
この数字をどう読むか
大事な前提を一つ。この数字で、去年と比べて上がった・下がったを語ることはできません。テストの難しさが毎年ちがうので、点数の高い低いを年ごとに比べても意味がないからです。文科省自身も、平均正答率で経年比較はできないとしています。
だから見るべきは「何点だったか」ではなく、「どの形式が苦手か」という中身の傾向です。そして、その傾向ははっきりしています。答えを出すこと自体より、その答えにたどりつく道すじを言葉で書くこと。日本の子どもたちは、そこに共通して苦戦している。
これは算数・数学だけの話でもありません。同じ調査で、中3国語も記述式が45.9%と、選択式73.0%・短答式56.1%に比べて低いという、まったく同じ形をしています。教科をまたいで、「書いて説明する」ところに同じ谷ができているのです。
まとめ
- 小6算数・中3数学とも、正答率は「短答式 > 選択式 > 記述式」の並び
- 中3数学は短答式64.6%に対し記述式39.6%。その差は約25ポイント
- 記述式だけは、小6(48.7%)より中3(39.6%)のほうが低い
- 中3数学の記述問題では、無解答(白紙)が3〜4割に達したものもある
- ただし、これらの数字で前年比較はできない。見るべきは「形式ごとの傾向」
- 「答えを出す力」より「考え方を書く力」が、教科を超えた共通の課題
答えが合っているだけでは足りず、なぜそうなるかを自分の言葉で書けるか。今回の数字は、そこに課題があることを静かに、しかしはっきりと示しています。「なぜ書けないのか」の分析は8月に出るので、そこでもう少し深く見えてくるはずです。
※数値は2026年7月16日公表、文部科学省・国立教育政策研究所「令和8年度全国学力・学習状況調査 問題別調査結果」の全国(国公私立)の値です。都道府県別などの詳細は今後公表されます。
今後、問題ごとに説明していきます。
25ます計算メーカー
たし算・かけ算から選んで、5×5(25ます)のもんだいをすぐに作れます。
数字を入力するとタイムがスタートします
25ます計算のルール
- 25ます計算は、たてとよこの数字を組み合わせて25このますをうめる計算練習です。100ます計算より少なく、短い時間で取り組めます。
- ますに数字を入れるとタイムが自動でスタートし、すべてのますがうまるとタイムが表示されます。
- ますの答えは半角数字で入力してください。全角数字は入力できません。
- Enterキーやタブキーで次のますへ移動できます。矢印キーで上下左右にも移動できます。
- まちがっているますはオレンジ色になり、文字が赤くなります。まちがいの数だけタイムに30秒のペナルティが加わります。
- 同じ問題で「やりなおす」と、前のタイムより早くなったか確認できます。
- 「やめる」をおすと、ぜんぶ終わっていなくても、そこまでのタイムと点数を確認できます。あいているますはまちがいになります。
けたの組み合わせ